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 新入社員の大井茉莉です。私が体験した、Fuji Rockの裏側をレポートします。
 日記調なので、気楽にお読みください。

 ステージなどの写真は、余裕のなかった私に代わって先輩が撮って頂いた物を使わせていただいています。

 それでは、どうぞお付き合いください。


7/26

 「よろしくお願いします!」
 これから数日間一緒に仕事をするプランナーの方、フリーの方、他の会社の方とあいさつをして、
 私のFuji Rockな日々が始まりました。

FUJIROCK

キャスター付二段イントレ

 まず器材を降ろします。
 先輩方が「昼は暑くて、夜は冬の寒さ」と脅かすだけのことはあって、
 この日の朝昼は見事にカンカン照りで、早くも汗かいてます。

 そしておろしと打ち合わせが終わると、仕込み開始です。

 最初はバイトの人々が来ないということで、いきなり運動量2倍です。
 ステージの下にある器材たちを上に上げるため、キャスター付きのムービングの箱などを
 「せーの!」で押して、スロープを駆け上がります。
 ボーダーケーブルを満載した、ただでさえ重い「フロオケ」を押し上げるのには、5人がかりでした。
 とんでもなく必死なのに、その光景を端から見ると、少し楽しそうにも見えます。

 そして吊り込みです。
 トラスに仕込むために、キャスター付きの二段イントレに登っての高所作業です。

 私は必要な器材を上の人に渡したり、
 「T2!」(T型2メートルのケーブル)「5P!」(5芯の信号線)と叫ばれては
 そのケーブルを取って来る役目です。
 腕をプルプルさせながら重いムービングライトを上に渡したり、
 イントレを移動させたりの体力勝負な作業が続きます。

叫ばれる

仕込み終わったトラス  写真は、仕込み終わったトラスです。
 見えづらいですが、2灯ミニブル、ITO、パーライトといった一般照明と、
 Mac300、500、600というムービングライトが吊ってあります。

 サイドのトラスにはミニパートーマスブラック(パーライトの小さい版。軽くて仕込みやすいです)が並び、
 バックイントレにはミニパー、Mac、ATMIC(強烈なストロボ)を吊り込みました。
 ケーブルはステージの穴からステージの下を通して、裏のユニットに行っています。

 私も上手のバックイントレのミニパーとミニブルの幾つかを、吊り込んでみました。
 上吊りするとき時などは、ネジを締める間、片手で灯体を支えていなければならないので、 腕の筋肉がフル活動します。
 一番上に裏を照らす1KWのブロードライトを吊る時が、一番腕筋を使いました。
 ひょいひょいと重い器材を吊っている皆さんの筋肉はいかほどのものなのかと、感心してしまいます。

 次は客席トラスです。
 一旦トラスを降ろしてから吊り込みです。
 必要な器材とケーブルを並べ、吊り、
 先輩に駄目出しされながらボーダーケーブルを
 トラスに伝わせます。
 皆さん作業が早いです。

客席トラス1

 ミラーボールやATOMIC、ITOが吊られている写真の
 長方形のトラスが客席トラスです。
 たち降りたケーブルはユニット、カットアウトに繋がっています。
客席トラス1

ユニット

 全部の器材の電源がとれたら、次は入れ込み作業です。
 これは、例えば一番のフェーダーを上げたら、一番と決めた灯体がつくように、
 先ほどステージの下を通して来た、たくさんのケーブルをユニットに差していくという作業です。

 写真は入れ込み後のユニットです。ユニットとコネクターにフェーダーの番号がバミってあります。

 次はシュートです。
 灯体を、光を当てたい方に向ける作業です。
 この時のミニパーの熱さは殺人的です。皮手袋をしないと「あちち」を連発することになってしまいます。
 そして、夜なのでカナブンと蛾と、訳の分からない羽虫が灯体に殺到して来る時間です。 野外現場の醍醐味ですね。


7/27


 点灯チェック中です。スピーカーなど音響器材が増え、ステージらしくなってきました。

 明かりを作っているいる間は、ステージの後ろで空箱を整理したり、
 ケーブルの養生をしたりしていました。

点灯チェック

 照明卓ブース1    照明卓ブース2


 卓ブースの写真です。本番の時はトラブルがすぐわかるように、また、チーフの要求に応えられるように、皆ここで待機します。


7/28


 前夜祭の日です。
 ついにフェスの始まりです。
 写真は始まりを待って入り口に群がるロックな衆です。


入り口に群がる

 本番が始まると、バンドごとにメンバー構成や立ち位置が変わるため、転換の時毎にITOをシュートし直します。
 音響さんなど他の役割の人の仕事の邪魔にならないように、作業するのは結構大変です。

 「サオ」と呼ばれる長い棒のようなもので、うまくスポットの向きを変えていくのですが、焦ると動かしすぎたり、
 うまく動かなかったりします。この日は他の会社の方や先輩がサオを使い、私はバンドメンバーの立ち位置に立って、
 光がうまく当たっているかの目安役でした。

 本番中、苦労して仕込んだ照明が、音楽に合わせて光っているのを見るのは充実感がありました。
 そして、華々しいステージの後ろで、舞台監督を中心に様々なセクションの人たちが忙しく動き回るのを見て、
 ありきたりな言葉ですが、ステージは皆で作り上げるものなのだなと再確認しました。


7/29

 18時に会場に来て、朝5時に帰る生活が始まりました。
 RED MAQUEEはオールナイトなので、一晩中お客さんたちが踊り狂う、危険なステージです。

 前夜祭と同じく、転換の作業をします。また、ANTARI(煙マシーン)の煙の量を調節したり、
 オイルが少なくなってきたら注ぎ足します。
 オイルはこぼすとぬるぬるして悲惨なことになるため、慌てず騒がず注ぎましょう。

ANTARI(煙マシーン)

卓から見たステージ1    卓から見たステージ2


 卓から見たステージです。
 すぐ前の音響ブースでは、国籍問わず、スタッフや出演者がノリノリでステージの様子を見ていることがあります。


7/30

 本番二日目です。
 雨の為、唯一屋根のあるRED MAQUEEは
 ぐしょ濡れの避難民で一杯になっています。

 写真は、ユニットやカットアウトといった、電源まわりの
 危険な器材をビニールで養生しているところです。
 雨漏りとの戦いの始まりです。

ビニールで養生

人気バンド出演

 また、この日は人気バンドが出演するため、後ろまで人で埋め尽くされ、
 異様な熱気に包まれています。たち降りている客席トラスのケーブルを、
 お客さんが引っ張らないように注意していなければなりませんでした。


7/31

 最後の夜がやって来ました。
 踊るお客さんの興奮度も最高潮です。

 写真は転換が大体終わったころのステージです。
 この日始めて転換時にサオでシュートをさせてもらいました。
 先輩が方向を指示してくれるのですが、固くてなかなか動かない灯体に苦戦します。

転換終わり

ばらし

 夜が明けると、そのままバラしです。
 余韻が残る中、バックイントレからバラしていきます。
 私はバイトの方々と器材をしまう箱をステージに上げ、バラされた灯体やケーブルを受け取って
 ひたすらしまっていきました。

 ステージの下に這わせたケーブルは、とんでもなく混線模様で、バイトの方々と苦労して解いていき、
 上にいる先輩に渡します。真剣にやっているのに、ステージの穴から顔を出してケーブルを渡す姿を
 「モグラタタキみたいだな」と笑われます。

 そして最期の力で、見慣れた赤いトラックに積み込みをします。
 この日は朝からやたらいい天気で、終わる頃には皆そろって汗だくでした。
 積み込みが終わると、「お疲れさま!」で乾杯です。


 長いようで短かった洋楽漬けの6日間。
 珍プレーばかりの私に色々なことを教えて下さった皆さんに感謝です。

 本当にお疲れさまでした!   

by 大井茉莉