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ロンドン・バービカンシアター公演「コリオレイナス」


 
    

    ◇4月21日、蜷川さん演出の「コリオレイナス」という
     シェイクスピアの舞台公演のため、
     ロンドンのバービカンシアターに乗り込みました。

     (クリックで大きい画像をご覧になれます)

ロンドン到着

 
    ◇バービカンシアターは、バービカンセンターという様々なアートをフューチャーしたり、
     教育の場を設けたりしているロンドンの中でも大きなアートや文化の発信地として知られる建物の一部にあります。 

     1166席の深い濃いチョコレート色の、豪華客船についていそうな丸い電球が壁に
     だんだか並んでいる落ち着いた雰囲気の内観です。

 

客席    ロビー 階段 

 


  

    ◇1日目、約12時間のフライトを終えてロンドンに着いたのが17:30。 
     通関で一悶着あり18:00。 そこからホテルへバスで揺られて18:30。 
     ホテルのレストランで夕食をとり照明の仕込みは22:00からはじまりました。

     バービカンへ到着すると現地のスタッフはさっきまでやっていたと思われる演目のものをばらしている最中でした。

 

前演目バラシ1    前演目バラシ2

 

    ◇搬出を待って、こちらの搬入がはじまります。 搬入は地上レベルからトラックごと、このゲートに入って
     エレベーター状になっているのでこのまま舞台レベルまで下がり搬入します。 

     あらかじめ言っておきますが、私の腕のせいかカメラのせいか、あまり写真のできがよくないのですが、ご了承ください。

 

    
搬入1 ゲート
搬入2 トラックごと 搬入 舞台袖まで

 

    ◇搬入とはいっても、照明で持ってきたものはPAL1200が12台とSABREという照明卓が1台、
     雑物が入っているツアーケースがひとつのみです。 あっという間に搬入は終わり、仕込みは比較的楽なものでした。

     現地スタッフのチーフが全て仕切って仕込みを進めてくれます。 ちなみに仕込みに女性は一人もいませんでした。
     唯一仕込みを取り仕切ってくれていた人が女性で、この方は片足のない松葉杖の方でしたが、荒くれ男ども(?)に
     指示を出しなんでもこなす素敵な方でした。

 
穏やかに仕込みは進む
  ◇仕込み中も話し声が絶えず夜中仕込みにも関らず
   穏やかに仕込みは進んでいきます。

   カメラを向けるとみんな陽気に応えてくれました。
   写真がぶれすぎて他の写真をお見せできないのが残念です。

 

     ◇私達日本チームは持ち込みのPALを吊りこみ、
      色やgoboの確認をしつつチーフの梶谷さんが吊り位置を確認、
      検証したりして着々と時間は過ぎていきます。

      シーリングやバルコニーなどを終わらせ、一番面倒な、サイドに持ち込みの
      目の字ラダーをギャラリーから下げ、スポットを吊るという作業をするころには
      さすがにみんなのやる気がだいぶなくなっていることが伺えます。 

      みなさんおしゃべりに熱中。

タワーを押さえながら・・・

 

    ◇チェックも全て終了したのは朝の8時でした。 

     予定よりも早い目標時間に終え、一晩中起きていた割に晴れ晴れとした顔で劇場をでた
     チームジャパン、ロンドンの朝から強い日差しをあびながらホテルに戻る予定が迷子になり、
     30分あまり人通りの少ない路地や市場をうろつきます。

     それでも地図と照らし合わせながらホテルに戻り、朝食をさわやかにとり眠りにつきました。

 


  

    ◇翌日というより仕込みの終了した日の集合時間は18:00。 

     行ってみると舞台のセットの設置の真っ最中。 重い大階段の組み立て中でたくさんの現地のスタッフに
     アルバイトらしき人たちに監督達にエライ人たちに日本からのスタッフにと、大勢の人が群がっており、
     さらに通訳さんが8人くらいウロウロしており混沌としていました。 

     その日に照明ができることを終えると、早々に22:00ころには劇場をでて、
     プランナーの原田さんと夕飯をとりその日を終えました。

 


  

     ◇次の日、9時に劇場に行き9時半からフォロースポットのチームと打ち合わせ。
      フォロースポットは3本、3人の現地のスタッフ、全員男性です。 

      フォロースポットはロバートジュリエットというとこのもののようで。

バービカンのフォロースポット

 
フォロー用椅子

 ◇どうやらこの派手な色のいすに座って後ろを持ってフォローするようです。 

  

    ◇午後からシュート。 できるところから初めて、舞台のセットが完成して本格的に始めたのがもう夕方近くです。

     チーフの梶谷さんには通訳の人がついていたものの、シュートはほぼジェスチャーと単語でコミュニケーションがとれるようで、
     特に言語の違いが壁になることはないと思いました。 

     袖周りの狭さや大階段のシュートのために逆階段をたてたりなどの作業を乗り越えシュートを終えたのは23時近く。 
     そこから明かり作りに突入します。 

     現地のスタッフは途中でメンバー交代などがあり、いつのまにか刺青だらけのごっついお兄さんが仕切っていました。

 


     ◇労働時間に制限があったようで日本のスタッフも夜劇場をでたら
      何時間かは戻ってきて働いてはいけないと言われ、
      私は翌朝9:30にフォローチームと会うために夜中の3時に劇場を後にしました。

      残ったチームは翌朝8時前に終えたそうですが、
      吉枝さんという、 CATで10年働いていて今は文化庁の派遣で
      イギリスに滞在し照明をやっている方が今回助けに来てくれ、
      ムービングの打ち込みをやってくれたので、スムーズに終えることができました。

吉枝氏 助かりました

 


  

    ◇翌朝、フォローチームに会います。 日本のように黙って話しを聞いてくれる人たちではなく、話がすぐそれます。

     一旦打ち合わせを終わらせリハーサルにむけてフォロースポットの準備を進めようとするものの、
     私の経験不足と準備不足、浅はかな考えのため基本的なところで滞ります。 
     フォローチームの二人のお兄さんと一人のおじいちゃん、それぞれが勝手な主張を始める中、
     照明プランナーの原田さんに助けてもらい、戒められながらどうにかこうにか準備を終えます。

     通しリハーサルはボロボロでした。 そして私は半泣きでした。 それでも本番は19時にやってきます。 
     もう一度フォローチームと打ち合わせをして、なぜかみんなに大丈夫だよ、と逆に励まされ、
     全然人の話を聞いてくれないからだよ!、という思いをぐっとこらえ、他のセクションの心配をする余裕もなく本番に突入します。

 

    ◇今回私は全くフォロースポットに触ることはなく、フォローのCUE出し、というポジションで参加しました。

     自分でフォローしながら残りの二人に英語でCUEをだすより、CUEだしに専念して三人に指示するほうが楽であろう、
     とのチーフとの相談の結果です。

     結果的に楽だったと思います。 初日は原田さんが隣に座ってらしたこともあり、手に汗を本当に握っており、
     緊張しっぱなしの3時間強だったのですが、一度CUE出しをしてメンバーもかってがわかると楽になりました。 

 

    ◇奇跡的に初日が上手くいき、細かいミスやできてないところがあったり、休憩時間の終わりになっても
     フォローチームが戻ってこない、などの尽きないエピソードはあったものの、原田さんからのオッケーがでて、
     蜷川さんの笑顔が見られたので、初日が開けた日の夜はホテルのバーで安心しきって乾杯をかわしたのでした。

 


  

    ◇その後は公演が夜公演のみだったので、16時に劇場にはいるまではロンドンを観光したり、
     洗濯などの雑用をすませたり、結局ずっとホテルで寝ていたり、という日を3日すごしました。

     連日劇場は満員、日本人のお客さんもかなりいて半々くらいだったように思います。 

 

    ◇ばらしの日はあっという間にきました。 その日は17時公演。 20時過ぎに終了するとすぐばらしに取り掛かります。

     舞台のセットのばらしをやっている間の待ち時間が長く、現地のスタッフのみんなが待ち時間をもてあまし、
     待っているこの時間が嫌だ、とだだをこねだす人もでてきます。 

     仕込みと反対の作業を続ける数時間、全部をばらし終えたのは朝の6時過ぎ。 
     照明の現地のスタッフとはそこでお別れです。 そこからコンテナーに積み込み、その作業が終了したのが8時すぎでした。

     心身共に疲労を感じていたものの、また外の日差しの強さにうかれながらホテルに戻りました。 
     その日の夕方の飛行機でロンドンにさよならをし、日本への帰途へとついたのでした。

 


     ロンドンのスタッフはみんな人のいい人たちでした。 

     文化の違い、やり方の違いによる考え方の違いにより戸惑う部分は多々あるものの、
     郷に従ってしまえば向こうができる限りのことをしてくれます。

     向こうが理解してくれようとしてくれるので言葉が足りなくてもコミュニケーションは上手くいくものでした。 

     新しい発見や、自分の力不足を感じたことや、英語の気楽さや、
     全部をひっくるめて得たものに満足してロンドンを後にしたのでした。


現地スタッフと・・・

 

by 小池みのり