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アメリカ海軍戦艦用10kwカーボンアーク・サーチライト
前回ご紹介した20kカーボンアーク・サーチライトに続き
今回は10kタイプをご紹介します。

20kはアメリカ陸軍の対航空機用のものでしたが
10kはアメリカ海軍の戦艦に搭載されていたものです。
全体像
60年前のものとは 思えないほどのピカピカミラー


通信用サーチライト

軍用艦に積まれるサーチライトは対航空機用ではなく主に通信用に搭載されています。ではどのように通信に使うのでしょうか?


その当時(今でも基本はそうですが)軍用艦は艦隊を組んで航行しています。
戦闘態勢にない場合は艦同士は無線で連絡を取り合います。
しかし戦闘が始まった場合、無線を使用すると艦隊の所在が無線を発しているところを探る事によって判ってしまいます。
これを避けるために命令を発する船(旗艦)から回りの船に向けてサーチライトの光のモールス信号(トン・ツー2種類の光のON/OFF)に
よって命令を伝えました。
そのために非常に精度の高いブラインド・シャッターがついています。ハンドルを押す事によってシャッターが開きます。
このシャッターを開ける時間の長短によって「トン」と「ツー」を表します。
グリスアップしておけば小指一本で操作出来る程です。
暗闇で光の量を加減するためと思われるアイリス・シャッターもついています。


ブラインド・シャッター on
ブラインド・シャッター off
カーボン送り部分全体
ブラインドのハンドル(軽いです)
アイリス・シャッター half
アイリス・シャッター off


当時のハイテク

最適燃焼位置の真下には凸レンズがあり、このレンズで燃焼位置を検出し、下の小窓の中にある「バイメタル」で燃焼位置の微調整をする・・・という当時としては驚くべき構造になっています。 (さすがに「軍用品」というか「兵器」ですね)
戦争は勿論嫌ですが、技術の革新が戦争における機材の開発にあった・・事も事実ではあります。
なにせ開発予算を気にせず、最新技術を投入する訳ですから。

レンズで光をこの窓に集めて
燃焼位置を感知しています
燃焼位置の真下
灯体後部の調整用のノブ
微調整を行います
−極の送り機構
+極の送り機構(真上)
本体サイドの照準器
すごく当たります


エンブレム

前部エンブレム
General Electric(GE)製


内部エンブレム
よく見るとDATE1943US.NAVYなどの文字が・・
サイドエンブレム
使用上の注意が書いてあります


もうひとつの「60年前」製品

次には、これらを点灯させるために開発された直流エンジン発電機の話を書こうか?と思います。
60年前の「直6(ストレート6)!」です。
現在、山梨県のエンスー業者でレストア中のため、少し時間が掛かるかもしれませんが。